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四次元ことばブログ

辞書と言葉に関するあれこれを、思いつくままに書き記しておくことにしました。

安倍首相の辞書はどれだ! 「そもそも」を「基本的に」と書く辞書を探す旅 【追記】

「でんでん」でおなじみの安倍晋三首相が、4月19日の衆院法務委員会で、「『そもそも』を辞書で調べたら、『基本的に』という意味もある」という旨の答弁をしたそうです(下記事参照)。

 

首相答弁の「そもそも」、意味はそもそも? 国会で論戦:朝日新聞デジタル

 

本稿では、「そもそも」に「基本的に」という意味があるのかとか、「そもそも」がそもそも「初めから」という意味なのかなどいうことは、今回の答弁での文脈的意味も含めて一切考えず、単に「『そもそも』を引いたら『基本的に』という意味が書いてある辞書はどれだ」ということだけ調べます。

 

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「けもの」と「けだもの」はどう違う 横断比較国語辞書

 

けものは居ても のけものは居ない
本当の愛はここにある
――「ようこそジャパリパークへ」(大石昌良作詞) 

 

ふわああぁ!いらっしゃぁい!よぉこそぉ↑四次元ことばブログへ~!どうぞどうぞ!ゆっぐりしてってぇ!いやま゛っ↓てたよぉ!

 

国語辞書の良し悪しをチェックするのに最もてっとり早い方法のひとつに、同じ語の語釈(ことばの説明)を比べてみるやり方があります。

 

本稿では、2017年第1四半期のインターネットを大いに盛り上げた『けものフレンズ』に敬意を表し、「けもの」の語釈を引き比べてみましょう。

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国語辞書の購入の手引き 市販15種徹底比較【1種追加】

新学期も近づき、国語辞書を買おうと書店へ足を運んだり、ネット書店で売れ筋の辞書をチェックしたりするも、種類が多くて何がなんだかわからないという迷える子羊たちが出没する季節になりましたが、いかがお過ごしでしょうか。

 

あなたもそんな迷える子羊の一人でしょうか。それはちょうどいいところにいらっしゃいましたね。私もかつては迷える子羊でした。迷いに迷った挙句、新刊書店で手に入る国語辞書はとりあえず全部買うという力技で迷いから解き放たれたこの私が、それぞれの辞書の特徴をざっくりまとめてみました。辞書選びのヒントとしてご活用いただければ幸いです。

 

この記事では、おおよそ高校生から一般に向けて編集された小型(7万語前後を収録した辞書)のもので、新刊書店で手に入るもののみ扱います(復刻版を除く)。初版の刊行年の古い順に紹介しています。

 

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『現代国語例解辞典』を推薦する

2016年11月、待ちに待った小学館現代国語例解辞典』の4度目の改訂がなされました。数年前から改訂の噂は聞こえていましたが、気づけば前回の改訂から10年も経っています。

 

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現代国語例解辞典第5版。すてき

 

現代国語例解辞典』に出会った日のことは今でも覚えています。あれは私がまだ国語辞書を集めはじめる前のことでした。

 

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辞書に「主観」は不要……でも、そもそも「主観」って何?

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海くん「僕たちって矛盾した存在ですよね」

 

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ヒロシ「ああ。語釈に個人的な感情はいりません。しかし」

 

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泉くん「客観的すぎても個性がなくなっちゃう」

 

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リン太「一体どうすりゃいいんだ!」*1

 

一体どうすりゃいいんでしょうか。

 

*1:以上の画像はアニメ『舟を編む』第7話「信頼」よりキャプチャ。舟を編むAmazonビデオ-プライム・ビデオで 

http://amzn.to/2l2b675 2016年12月7日閲覧

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(おしらせ)「マネ会」様に寄稿しました

サイバーエージェント完全子会社のCyber SS様が運営する、「みんなでお金について考える」メディア「マネ会」にコラムを寄稿させていただきました。

 

hikakujoho.com

 

古い新語辞典(古新聞の仲間みたいなものです)からお金にまつわる言葉をピックアップしてみたという記事です。どうぞよろしく。

辞書マニアによるアニメ『舟を編む』第6話感想と解説。『言海』あれこれ

辞書編集部の両輪は崩れかけ、『大渡海』編纂に暗雲が立ち込める――アニメ『舟を編む』はいよいよ第6話、物語は大きなターニングポイントを迎えます。今週も蛇足的解説を施してまいりたいと思います。

 

※以下、アニメ本編の画像はAmazonプライム・ビデオ『舟を編む』第6話「共振」*1をキャプチャしたものです。

 

辞書編集部と馬締の『言海

今回は大槻文彦の『言海』がフィーチャーされた回でした。今更解説するまでもないかもしれませんが、『言海』は最初の近代的国語辞書とされる大著です。文部省主導で編纂が始まったのが1875年。1886年にひとまずの完成を見ますが、文部省からは出版されず、その2年後に原稿が下げ渡されます。大槻は結局『言海』を自費で出版することとなり、最終校正のさなかに妻子を亡くす不幸に見舞われながら、1889年から1891年にかけ4分冊として刊行するに至ります。作業はほぼ独力で行われました。

 

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▲辞書編集部の『言海

 

言海』には様々なバージョンがありまして、大形本(四六倍判)、小形本(菊半裁判)、中形本(四六判)、寸珍本(四六半裁判)が知られています*2

 

*1:舟を編むAmazonビデオ-プライム・ビデオで http://amzn.to/2l2b675 2016年11月23日閲覧

*2:境田稔信(2003)「明治期国語辞書の版種について」,飛田良文ほか編『明治期国語辞書大系 書誌と研究』大空社

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