四次元ことばブログ

辞書と言葉に関するあれこれを、思いつくままに書き記しておくことにしました。

辞書マニアによるアニメ『舟を編む』第2話感想と解説。「辞書=舟」の新しさ

アニメ『舟を編む』の第2話が放送されました。前回に引き続いて、辞書マニア的視点から解説を試みます。 ※以下、アニメ本編の画像はAmazonプライム・ビデオ『舟を編む』第2話「逢着」*1をキャプチャしたものです。 玄武書房はどこか 「どこか」って、答え…

「右」は国語辞書でどう説明されてきたか(1)明治の辞書

み-ぎ(名)|右|(一)人ノ身ノ南ヘ向ヒテ西ノ方。左ノ反。ミギリ。――『言海』(1889~91) 辞書を引き比べるのに「右」がもってこいだという話は、いつごろから定着したのでしょうか。「定着」しているとまでは言えないかもしれませんが、辞書ファンの間…

辞書マニアによるアニメ『舟を編む』第1話感想と解説

辞書の編纂を描いたテレビアニメ『舟を編む』の本放送が、10月13日深夜からスタートしました。 馬締と西岡の関係性に萌える向きもあるようですが、私は辞書マニアなものですから、辞書マニア的観点からアニメ『舟を編む』第1話を鑑賞してまいりたいと思いま…

アニメ『舟を編む』試写会トークショーのレビュー、という名の辞書入門

去る10月1日、一般財団法人出版文化産業振興財団(JPIC)主催のイベント「『舟を編む』先行試写会&トークショー」に足を運んでまいりました。10月13日から放送が開始されるアニメ『舟を編む』1・2話の試写の後、原作者である三浦しをん先生、小説の挿絵…

二つ結びの「おさげ」が辞書にない話。そしておさげ史へ

『ドラえもん』の紅一点、しずちゃん*1です。 *2 彼女のような髪型をなんと呼称するでしょう。 「二つ結び」でも「二つ結い」でも「ツーテール」でも「ツインテール」でもいいのですが、個人的には「おさげ」が一番しっくりきます。 辞書では「おさげ」は編…

紙辞書を自炊する

このごろはいろいろな辞書に電子版が用意されており、わざわざ紙辞書を携帯する必要性は減ってきました。 とはいえ、市販の数十種類の国語辞書に目を向けると、電子版のあるもののほうがまだまだ少数派。普段使いの辞書に電子版が無く、やむを得ず鞄に紙の辞…

三省堂国語辞典と新明解国語辞典の「魚」の語釈が同じだけど大丈夫か

突然ですが、『新明解国語辞典』(以下、新明国)第7版で「うお」を引いてみましょう。 うお[魚]水中にすみ、ひれと うろこが有って、よく泳ぐ脊椎動物。食用になるものが多い。さかな。 こんどは『三省堂国語辞典』(以下、三国)第7版で「さかな」を引…

スーパーの「サッカー台」は「作荷台」なのか

「サッカー台」という言葉があります。スーパーマーケットなどにある、購入した商品を袋詰めするための作業台をいいます。まあ、業界用語です。「サッカー」は”sacker”で、「袋詰めする人」という意味ですね。「指サック」の”sack”です。 ……とずっと思い込ん…

混迷を極める電子版『大辞林』のサービスを比較する

⚠ 2016年8月現在の内容です。2019年9月に『大辞林』第4版が刊行され、状況が大きく変わっています。 日本語の辞書のうち、電子辞書で存在感を発揮しているのは、『大辞泉』と『大辞林』の2種だと言ってよいでしょう。ここでいう「電子辞書」とは、専門の…

小説版『舟を編む』の時代設定はいつなのか

このたびアニメ化・漫画化が発表された、三浦しをん先生の傑作小説『舟を編む』。タイトルの「舟」は辞書のこと。辞書は言葉の海を渡る舟であるという哲学のもと、出版社員の馬締をはじめとする不器用な人たちが辞書の編纂に奮闘する物語です。辞書を舟に見…