去年に引き続き、「今年の新語2020」の理想編成を勝手に考えました。これはあくまで理想編成であって、予想ではありません。そこんとこよろしくな。
これが「ぼくのかんがえたさいきょうの今年の新語2020」だ!
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※本稿は、2013年12月のコミックマーケット85にて頒布した『TECHRIOR vol.2』(テクリア)所収の「たほいやのルール」「初心者を卒業するためのたほいや講座」を改稿したものである。
※本文中にはかつてフジテレビ系で放送された「たほいや」でお題となった語のもじりがいくつか含まれている。該当箇所には脚注で『広辞苑』第7版からその語釈の一部を引用した。
「たほいや」というゲームをご存じだろうか。簡単に言えば、『広辞苑』に載っている変な言葉の意味を推測し、当てるゲームである。きわめてシンプルなルールながら、蓋を開けてみればそこは高度な頭脳戦が繰り広げられるバトルフィールドである。脳が溶けている人もよくいる。読者諸氏にも、この世界を思う存分味わっていただきたい。
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本日、三省堂が主催する「今年の新語2019」の結果が発表されます。公募によって集めたことばの中から、「2019年を代表する言葉(日本語)で、今後の辞書に採録されてもおかしくないもの」トップ10を決める催しです。
僕は一「今年の新語」ファンとして一昨年、昨年とランキングを予想してきたのですが、ほとんど当てられなくて悲しいし、予想することに何か意義があるのかと問われるとまあ正直特に意味はありません。というわけで、今年は趣向を変えて、「ぼくのかんがえたさいきょうの今年の新語2019」のランキングを作ることにしました。あんまり意味がないことには変わりませんが、予想が当たる当たらないの話ではなくなるので、僕が悲しくならないという利点があります。
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僕は国語辞書の収集を趣味にしています。中でも点数が多いのが『新明解国語辞典』第4版で、現在のところ43冊を所有しています。『新明解国語辞典』が43冊なのではありません。『新明解国語辞典』の第4版だけで43冊あるのです。みなさんも辞書の20冊や30冊はお持ちだと思いますが、『新明解国語辞典』第4版だけで40冊あるというご家庭はあまりないのではないでしょうか。あったらお友達になってください。
『新明解国語辞典』の初版は1972年に刊行されました。戦前の『明解国語辞典』を母胎に、内容を一新して成立した国語辞書です。「日本でいちばん売れている小型国語辞典」を自称しており、小型国語辞書ではトップのシェアを誇ります。
▲一部
最新版は2011年の第7版ですが、ファンの間では1989年の第4版の人気が高いことで知られています。その一因は、赤瀬川原平の『新解さんの謎』にあるとみられます。『新解さんの謎』は、『新明解国語辞典』のユニークな語釈(ことばの説明)を味わうエッセイで、ベストセラーとなりました。それ以前から『新明解国語辞典』の面白さに注目する識者はいましたが、これが広く知れ渡ったのは『新解さんの謎』のおかげでしょう。その『新解さんの謎』に登場していたのが、何を隠そう第4版だったというわけです。有名な面白い語釈が読めるのは第4版だと、今でもこれを探し求める読者が絶えないのです。
とりわけ有名なのは「恋愛」の語釈です。各所で何度も引用されておりもううんざりだという辞書マニアも少なくないと思いますが(たとえば僕など)、せっかくなので改めて引いておきます。 ※引用に際しては、約物(記号)などを省略しました。
れん あい【恋愛】―する 特定の異性に特別の愛情をいだいて、二人だけで一緒に居たい、出来るなら合体したいという気持を持ちながら、それが、常にはかなえられないで、ひどく心を苦しめる・(まれにかなえられて歓喜する)状態。「―結婚・―関係」
多くの人の辞書のイメージを覆したこの語釈は、第3版とも第5版とも異なっています。「合体」が見られるのは第4版だけとなると、人々がこぞって第4版を買い求めるのもうなずけるでしょう。
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2019年3月4日、辞書クラスタに衝撃が走った。
iOSにおける辞書アプリのトップメーカーである物書堂から、同社製のすべての辞書アプリを統合した「辞書 by 物書堂」がリリースされたのである*1。
物書堂製の辞書アプリはUIが非常に優れており、使っているだけで悦楽に酔うほどであった。提供されている辞書も、国語では『三省堂国語辞典』や『精選版日本国語大辞典』、英語では『ウィズダム英和辞典』や『オックスフォードアカデミック英英辞典』などといった定評のあるものばかり。ところが昨年7月、これら複数の辞書アプリを統合し、辞書のコンテンツはアプリ内課金によって販売するようApple社側から要請されている事実が明らかになった*2。
複数辞書の串刺し検索が可能になるなどのメリットはあろうが、それまでの使い勝手のよさが損なわれるのではないかという不安もあった。
杞憂~~~~~~~~~~!!!!!!!
べんり~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!
もう、この世にある全部の辞書を搭載してほしいと思ってしまうほどの便利さであった。
ますます使い勝手がよくなった物書堂の辞書アプリの魅力を、頼まれてもいないのに書きたいと思います。
*1:「角川類語新辞典」ほか一部は今後のアップデートで統合予定。2019年3月13日現在
*2:物書堂 | これまでとこれからの物書堂 〜 App Store 10周年によせて https://www.monokakido.jp/campaign/tenth-year-anniversary.html
やあみんな、文章、書いてるかい。
文を書くことを趣味や仕事にしている人であれば――いや、そうでなくても、レポートやSNSなどで文を書く機会がある人であれば誰でも、ことばに関するちょっとした疑問や困りごとにたびたび直面しているはずです。ところが、手持ちの国語辞書では解決できず、Google先生にお伺いを立てても出てくるのはYahoo! 知恵袋や信頼性に欠ける安っぽい記事ばかり、ということがよくあります。
ああ、かゆいところに手が届く、いい資料がないものだろうか……。
ありますよ!!!!!
脇目も振らず辞書を集めまくっている私が、実際に使い倒して「こいつは便利だ」と感じた、かゆいところに手が届く特殊な辞書たちをご紹介いたします。必ずや、文を書くみなさまのお役に立つでしょう。
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